夢を口に出す
小学3年生くらいまで、将来の夢は”お花屋さん”か”ケーキ屋さん”でした。
これはたぶん、自分の夢なんかじゃなくて、よくある女の子の夢。
夢というものにピンと来なくて、周りから浮かないような回答をしていました。
その証拠に、回答は”お花屋さん”と”ケーキ屋さん”が半分ずつ程度。
どちらもそこまで興味がなかったので、そのときパッと頭に浮かんだ方を答えるようにしていました。
小学5年生のとき、将来の夢をクラス全員の前で発表するという授業がありました。
夢についてきちんと考えたのは、このときが初めてだと思います。
人と一緒じゃなくていい、自分のなりたいものを考えろと言われ、考えた末に”歌手”と書きました。
当時、ボーカルユニットに入った友人にひどく憧れていたんです。
どうしたら歌手になれるのか、必死に本を読んで調べ、みんなの前で発表したのを覚えています。
しかし、このとき私は、”歌手”と言うことに対してすごく大きな抵抗を感じていました。
単に、恥ずかしかったんです。
クラスでも派手な方ではなかったし、歌がうまかったわけでもない。
それなのに自分が”歌手”と声に出していいものかという不安から、小さな声で発表をしてしまったこと、今でも鮮明に思い出せます。
そんな私も27歳になりました。
お花屋さんでもケーキ屋さんでも、憧れていた歌手でもなく、ライターとして日々文章を書き連ねています。
そんな私の今の夢は”エッセイスト”。
女性誌に掲載してもらえるようなエッセイを書くことが、今の私の夢です。
あの頃は自分の口から「○○になりたい」と言うことが恥ずかしかったけれど、今は声を大にして言いたい。
それは、自分が今ライターになれたことが関係しているのかもしれません。
歌手になりたいと言っていた頃は、そんなの夢のまた夢でした。
どうしていいかもわからないし、それを調べようともしなかった。
だからこそ、胸を張って「歌手になりたい」と言えなかったんだと思います。
でも今は違う。
ライターとして文章を書いているし、こうしてブログを書いている。
もしかしたら、27歳で追うには遅い夢なのかもしれません。
手遅れだという人もいるだろうし、こんな文章じゃ到底無理だと鼻で笑う人もいるでしょう。
それでも私は、「エッセイストになりたい」と大声で言い続けようと思います。
夢を口にするメリットは2つあります。
まず1つは、自分のモチベーションになるということ。
自分1人で抱えていることって、諦めるのが容易なんです。
だって誰にも迷惑をかけないし、誰に恥じることもないから。
でも、ひとたび口に出してしまえば、証人が増えます。
夢を諦めるとなると、その証人たちから何かしらの評価が下されてしまうんです。
そうならないため、努力をし続けるようになるのが私の持論。
モチベーションの維持はすごく難しい課題ですが、誰かと目標や夢を共有することで、その課題は少しだけ解消される気がします。
また、チャンスが増えるというメリットもあります。
これは、今までの人生で何度も経験してきました。
今私がライターとして働けているのも、私の口が軽いことがきっかけなんです。
ライターになりたいと思った瞬間(当時まったくの素人でした)から、出会う人に「ライターになりたい」と話すようにしていました。
そうすることで、なんと友人から編集部を紹介してもらうことができ、こうして今ライターとしての自立を果たしているんです。
編集部を紹介してくれた友人はライターとはかけ離れた仕事をしているので、どこで引っかかるかわからないものだなと感じました。
これ以外にもあるかもしれませんが、以上2つのメリットがあるだけでも、行動に移すべきだと思いませんか?
とにかく口に出す、ただそれだけ。
ほんの少しの行動だけで、夢がかなう確率がグーンと上がるんです。
最近は夢の話をする場が減りましたが、これからも積極的に口を軽くしていこうと思います。